倉敷とはっか

かつて倉敷を含む岡山全域では本格的なはっか栽培が盛んに行われており、1925年〜1926年頃がその最盛期とされています。

暖地で育つ和種薄荷の試験栽培

昭和11年に倉敷の西富井へ設置された「旧岡山県農業試験場倉敷薄荷分場」では暖地における和種薄荷の試験栽培を行っていました。そこで生まれた品種が「三美(さんび)」「はくび」「りょくび」「しゅうび」です。含有されるアントシアンの違いにより、三美と秀美は「赤茎」、はくびとりょくびは「青茎」として分けられます。(こちらの写真は秋収穫前の秀美です。)

和はっか「秀美(しゅうび)」

倉敷薄荷では「秀美(しゅうび)」という種の和はっかを取り扱っています。秀美は「メンソフラン」という成分が入っているので穏やかな甘い香りが特徴です。また、主成分である「l-メントール(エル・メントール)」により清涼感も感じられます。収油率は約1.6〜2%とされていて、約500gのはっかで取れる精油はわずか約10mlです。秀美も倉敷はっか分場で生まれた品種ですが試験栽培開始の翌年には試験場が閉鎖され、当時商品化には至りませんでした。